
OUR STORY
店名の由来
“Festina lente” ― ゆっくり、急げ。
Slow Rush という名前
“Festina lente”
フェスティナ・レンテ
「ゆっくり急げ」を意味するこのラテン語の格言は、
ヨーロッパで古くから用いられてきた言葉です。
「良い結果により早く至るためには、ゆっくり行くのが良い」
同時に「歩みが遅すぎても求める結果は得られない」という意味も持つ、
一見矛盾するようでいて深い知恵を秘めた言葉。
この格言を英語に訳すと“Slow Rush”——
私たちの店名は、ここから生まれました。
二千年以上、受け継がれてきた言葉
紀元前1世紀
皇帝アウグストゥスの座右の銘
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスは、この格言を最も愛した人物のひとりです。 歴史家スエトニウスによれば、彼は将軍たちに「ゆっくり急げ」と繰り返し語り、 拙速な行動を戒めました。蟹と蝶——慎重さと素早さ——を象ったコインを鋳造し、 この教えを目に見えるかたちで広めました。
15世紀
印刷の父 アルド・マヌーツィオ
ヴェネツィアの伝説的な印刷業者アルド・マヌーツィオは、 イタリック体や文庫本を発明した人物。 彼は「錨に巻きつくイルカ」——安定と速度の共存——を出版社のマークに採用し、 100年以上にわたって本の表紙を飾りました。 人文学者エラスムスは彼を讃え、こう記しています。
「アルドはゆっくり急ぐことで、金と名声の両方を手にした。 そのどちらも、まさに彼にふさわしい。」
16世紀
メディチ家の紋章
トスカーナ大公コジモ1世は、Festina lenteを自らの座右の銘としました。 「帆を背負った亀」——ゆっくりと、しかし確実に前へ進む—— をシンボルに掲げ、画家ヴァザーリによって ヴェッキオ宮殿のいたるところにこの紋章が描かれました。
現在
Slow Rush Coffee
二千年の時を超え、「ゆっくり急げ」の精神は鎌倉の小さなコーヒー店に受け継がれました。 急がず、しかし歩みを止めず。 一杯ずつ丁寧に淹れる。その繰り返しを、今日も続けています。
コーヒーに宿る、ゆっくり急げの精神

一杯のコーヒーには、 Festina lenteの哲学がそのまま宿っています。
ハンドドリップは3〜4分の丁寧な注湯が必要です。急げば薄く、雑味のある味になる。 けれど、ゆっくり丁寧に注ぐことで、豆本来の甘さや香りを最大限に引き出せる。
一杯を淹れる時間もまた同じ。急げば香りは開かず、丁寧に向き合うほど深まっていく。 良い一杯は、「ゆっくり急ぐ」ことから生まれると考えています。
日本の喫茶店文化にも通じるこの精神—— 一つひとつの工程を省かず、急がず、しかし目的は見失わない。 それがSlow Rush Coffeeの、コーヒーへの向き合い方です。
ホッと一息つける場所
あっという間に過ぎてゆく毎日の中で、
一瞬でも忙しいのを忘れ、ホッと一息つける空間。
それが、私たちSlow Rush Coffeeのコンセプトです。
スマートフォンを置いて、目の前の一杯に集中する。
豆を挽く音、お湯が落ちる音、立ちのぼる香り。
ほんの数分間でも、時間の流れがゆるやかになる。
そんな体験を、鎌倉の街角からお届けしたいと思っています。
ゆっくりと
急がず、丁寧に。一杯ずつ、味を確かめながら淹れます。
しかし止まらず
豆も、淹れ方も。より良いやり方を探しつづけます。
あなたのために
好みを聞いて、その人に合う一杯をお出しします。